昨年の4月から非常勤講師として勤務している学校、2年目を迎えました。
昨年1年間の経験と蓄積は大変貴重なものでした。
これを土台にして、2年目は更なる進化を遂げていきたいと思っていました。
そこで、私は「○○音楽プログラム」というものを勝手に作っています。
○○は学校名、ここでは一般非公開ということにしています。
また、相変わらず、コロナ禍の状況ということで、音楽室のスペースの関係上、
声楽やリコーダーを含む管楽器の取り扱いは禁止しています。
前回のコラムでは1学期の内容を書きましたが、
今回は2学期編です。
・音楽鑑賞を鑑賞だけに終わらせない
<中学1年生>
取り扱った曲は以下の2曲
●ヴィヴァルディ / 『四季』より「春」の第1楽章
●シューベルト / 「魔王」
昨年度に引き続き、ヴィヴァルディはキーボードで弾く練習とチームを編成してハンドベルで合奏する体験をしてもらい、
シューベルトは歌詞の日本語訳をチームで朗読劇をするということをしてもらいました。
このメニュー、昨年度も好評だったのですが、今年もいろんな名演奏(迷演奏?)も出現。
<中学2年生 高校1年生の一部>
取り扱った曲は次の曲
●ラヴェル / ボレロ
●バッハ / 小フーガ ト短調(中学2年生のみ)
ラヴェルの作品では、昨年度に引き続きキーボードで弾いたり、ハンドベルで弾いたり、リズムを叩いたり、何らかの実技をしてもらう体験をしました。
バッハはさすがにレクチャーだけで終わりましたけれども、教材内容を一部変更して、昨年度よりは授業内容を充実させることが出来たかなあと思っています。
<中学3年生 高校1年生の一部 高校2年生>
取り扱った曲は次の曲
●ムソルグスキー / 組曲「展覧会の絵」
●シベリウス / 交響詩「フィンランディア」
「展覧会の絵」では、全曲を学習することをしないで、ラヴェル編曲のオーケストレーションの凄さから入り、
世界情勢を鑑みて、終曲の「キーウ(キエフ)の大門」を取り扱い、あわせて絵画からのインスピレーションを知ることとしました。
それだけに終わらないために、展覧会の絵の「プロムナード」「古城」「キーウの大門」から選択してキーボード課題やハンドベル演奏を体験してもらいました。
シベリウスを取り上げたのは、まさに曲のキャラクターとメッセージが世界情勢に当てはめられることにあります。
ただ、やや退屈した感じは否めなかったので、次年度はどのように取り扱うかは改善が必要と思っています。
・楽典学習
<中学1年生 高校1年生の一部>
音名の学習をしました。
3学期は拍子記号や繰り返し記号に関する学習の予定。
<それ以外の学年>
1学期から続けている音程の学習を継続しました。
ただし、期末考査の出来は、出来ている人とそうでない人の差が出てしまいました。
やっぱり、このあたりから難しくなってくるのでしょうか。
3学期は音階や調性の学習の予定。
・著作権の学習
中学2年生と高校1年生の一部で実施。
音楽の現場で起こるいろんなケースが法律に抵触するのかどうかなどをグループ討議してもらいました。
昨年度もそうでしたが、これが大変に盛り上がって、生徒たちの熱量が高かったのでした。
・ベートーヴェンの第九を弾く
中学1年生以外の学年で実施。
ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」第4楽章の有名な旋律「歓喜の歌」をキーボードで弾くということをしてもらいました。
全員が弾けるように、一人ずつテストまで実施。
全校生徒の中でどうしても出来ない生徒はいましたけれども、
ほぼ全員が弾けるようになりました。
ただし、この単元、次年度の中学2年生は取り扱えますが、中学3年生以上はもう取り扱えません。
ということで、次年度は別メニューを用意する必要があります。
3学期は授業時間数が少ない学期。
スケジュールの組み立てが難しい時期でもあります。
上手くいろんなことが体験出来るよう、この冬休みの期間も教材研究に余念がありません。
ということで、「○○音楽プログラム」の完成はまだまだ先のこととなりそうです。
2022.12.7