これを書いている時は、間もなく2013年が終わろうとしている時です。
普段、年号というものに気にする人ではない私が、ふと見てしまったテレビ番組から
「そうか、平成になって25年なんだ」と思ったのでした。
ということは、4半世紀が経過したことを意味します。
4半世紀、25年、この時間の経過、今の私の年齢になってみると
「もうそんなに時間が経っているんだ」という気分になってしまいます。
ふと、25年前とはどんな時代だったのだろうか、そんなことを考えてしまいました。
そこで、今回のコラム、25年前の1989年にタイムスリップ。
1989年、実は世界史に残る激動の時代だったのです。
日本では1月7日に昭和天皇が崩御されまして、翌日から平成と改元されましたから、
まさに新しい時代に突入した感じがありました。
当時、私は高校3年生、クラブの冬合宿中でした。
そして、世界はこの1年で時代の変革を経験するのです。
いわゆる東欧革命が起こったのがこの年。
代表的な出来事は、なんといっても、11月に起こったベルリンの壁崩壊でしょう。
テレビで見ていた私は、このことの衝撃をよく記憶しています。
実際に私はその2年後の1991年8月にベルリンを訪ねていますが、
その際に歴史的モニュメントとなっていたベルリンの壁を見ています。
歴史の重みを実感していたことを思い出します。
ベルリンの壁崩壊後、12月3日にはマルタ会談が行われました。
米ソ首脳がここで会談して、冷戦の終結を宣言したのです。
この時、私は冷戦終結という事態を驚いたものでした。
ニュース映像としてショッキングな記憶が残っているのが、
12月に起こったルーマニア革命です。
首都ブカレストでの銃撃戦もそうですが、
独裁者チャウシェスク大統領とその妻を処刑した映像を見た時は、
当時大学生だった私には強烈すぎるものでしたし、
世界の現実を知るにはあまりにも惨いものでした。
そして、気が付いたことがあります。
「○○89年」というと、世界史としては大きな事件が多いのではないかということでした。
そこで、100年ごとに「○○89年」を調べていきます。
<1889年>
日本史の事件として挙げるなら、間違いなく大日本帝国憲法公布でしょう。
でも、世界史として見ると、それほど大きな事件はありません。
まあ、西洋音楽史として見るなら、グスタフ・マーラーの交響曲第1番「巨人」の初演ぐらいかなあ。
<1789年>
なんといっても、フランス革命でしょう。
7月14日にバスティーユ襲撃に端を発したフランス革命、市民革命の代名詞的な革命と位置づけられることでしょう。
そして、8月26日にはフランスで人権宣言が採択されています。
<1689年>
憲法という観点から見ると絶対に避けて通ることが出来ないのが、
イギリスで制定された権利の章典でしょう。
制定される前年の1688年がイギリスで名誉革命が起こっています。
それを受けてのこの出来事。
<1589年>
近代フランス王国の王朝として知られるブルボン朝が成立したのがこの年。
この王朝、200年後のフランス革命に見舞われることとなるのです。
<1189年>
400年さかのぼると、第3回十字軍が起こりました。
ヨーロッパ諸国がキリスト教の聖地であるエルサレム奪還ということで1192年まで行われた戦い。
<589年>
中国の隋が中国統一したのがこの年。
ざっとこんなものでしょうか。
案外、この「○○89年」から歴史を紐解くのもおもしろいかもしれません。
以上、歴史マニア以外は別に「どうでもいい」と思われるかもしれない、つまらないコラムでした。
でも、受験生諸君、案外このアプローチ、役に立つかもですよ。
2013.12.30