2021年4月から非常勤講師として勤務している学校、3年目が終わろうとしています。
これまでの3年間の経験と蓄積は大変貴重なものでした。
私は、この学校のこれまでの音楽教育メニューを「○○音楽プログラム」と勝手に名付けて作ってきました。
○○は学校名、ここでは一般非公開ということにしています。
今回は3学期編となります。
<民族音楽を初めて導入>
私の音楽教育のキャリアの中でも、実は民族音楽を取り扱ったことはほとんどありませんでした。
ですが、今年度は高校生に限定して1時間だけですが取り扱いました。
これが実に効果的、楽しんでくれたようです。
では、何を取り上げたのかですけども、以下のものを学習しました。
・インドネシアのガムランとケチャ
・モンゴルの馬頭琴とホーミー
・カナダのイヌイットの喉遊び歌
・スコットランドのバグパイプ
生徒たちは純粋にこれらのパフォーマンスを楽しんでくれた様子。
民族音楽の学習は、世界観形成にもいい学習になりますし、
他者との共存を図るきっかけになりますから、
私は民族音楽の学習は大切なんだなあと、今更ながら実感した次第。
<他は昨年度と大差なし>
あとは、昨年度とそう大きな違いはありませんでした。
削減したのは、中学1年生と外部入学の高校1年生以外の学年が取り組む作曲課題くらい。
3学期は授業時間数が少ないこともあって、仕方がなかったのでした。
<中学校3年間のメニューが確定>
3学期を終了にあたり、この学校の中学校3年間の授業メニューがほぼ確定しました。
以下の内容となりました。
・中学1年生
歌唱:校歌、合唱コンクール
鑑賞:ヴィヴァルディ「春」第1楽章(鑑賞後はキーボードとハンドベルで実践)
シューベルト「魔王」(朗読劇も実施)
日本音楽:箏と尺八
作曲:沖縄音階を使用しての作曲課題をこなす
楽典:音符と休符、音名、拍子記号
・中学2年生
歌唱:浜辺の歌、合唱コンクール、英語の歌詞による歌唱
鑑賞:ストラヴィンスキー「春の祭典」
ラヴェル「ボレロ」(キーボードやハンドベルなどで実践)
バッハ「小フーガト短調」(ただし、今年度は実施出来ず)
日本音楽:雅楽、越天楽
楽典:繰り返し記号、音程
・中学3年生
歌唱:滝廉太郎「花」(背景学習も実施)、合唱コンクール、英語の歌詞による歌唱
鑑賞:ムソルグスキー「展覧会の絵」(キーボードやハンドベルなどで実践)
楽典:音階と調性、コードネーム
中学3年生の鑑賞は、正直まだ確定しきれていません。
シベリウス「フィンランディア」を取り上げたことがありましたが、
交響詩の学習には、やはりスメタナ「モルダウ(ヴルタヴァ)」を取り上げるべきなのか、
あるいは、別の曲にするべきか、思案中。
そして、ベートーヴェン「運命」も、実施出来ていません。
ソナタ形式の学習がどうやったらスムーズに実施出来るのか、
まだ私の中では確定出来ていないからです。
そして、歌唱を取り扱うことを復活させましたが、
どんな教材を使うのかは、今後まだまだ精査が必要と思われます。
ところで、これまで4年間に渡って音楽教育に関するコラムを書いてきました。
コロナ渦がきっかけで、音楽教育が遂行困難となる現状をなんとか打破したく、
日々もがいた内容を記録しようと思ったことから始まりました。
そして、現在非常勤講師として勤務している学校での契約期間が3月末で満了となるので、
4月からは音楽家だけの生活になると思っていました。
ところが、今の学校さんと、まさかの契約が1年延長となりました。
次年度はまだ改良していきたい部分、
そして、高校でのメニューが流動的であるので、
次年度も更に研鑽を積んて行きたいと思っています。
どうやら、音楽教育の仕事、終わらないようです。
2024.2.26